寝つくのに最適な、首の角度を探ります
首が休まる究極の空間といえば、宇宙空間です。なぜなら無重力で、人間は最高のリラックス状態を味わえるからですね。この宇宙の無重力空間にもっとも近い状態が、アラビア半島にある死海の水中なのです。
ふつうの海水の10倍もの塩分が溶けこんでいるため、死海では誰でも楽々とぷかぷか浮かぶことは有名でしょ。この強力な浮力が、最高のリラックス状態を人間に与えてくれるのです。
死海の同濃度の海水を実験用につくり浮かんだ人間の姿勢を詳細に解析したところ、浮かんだときの人間の首の角度は15度だったという報告があります。一方、Ａ氏を診断した医師の研究では「枕によって首をある角度に保つことで、肩こりや頭痛、腰痛といった症状が改善される」ことが明らかになりました。
「首をもっともいい角度にする」枕をした状態の首と、死海に浮かんだ状態の首で、水平面から計った角度を比べるとなんと15度！ ぴたりと両者が一致し、死海にぷかりと浮かんだ状態と同じ首の角度だったのです。
Ａ氏が自分に合わない枕をした状態で測定したところ、首の角度はおよそ10度でした。たった５度のちがいでも、それほどまでに大きく快眠できるか否かへ影響するのでしょうか？